あらゆる花が一斉に咲き始める季節

やまよも写日誌No.5    2005.MarchApril

Kyoko.Murakami   

 

05.3.10  

スミレが咲いた! 野生のスミレ。  

都会の空き地ノコンクリートの隙間に沢山咲いたのを見つけた。

小学生の頃、ランドセルの中の空のおべんと箱の箸をカタコト鳴らしてスキップで帰る道に

春一番のスミレを見つけた時の嬉しさ! あの頃から小さな小さなスミレが大好きだった。

まだこんなに寒い日があるのに、スミレの向こうにタンポポも。

今朝、「ホラあそこに初スミレ!」とおとぅに教えた。気がつくとあそこにもここにも、

コンクリートの一面にこぼれる様に咲くスミレ、まるで魔法ね。

苺がきれいで美味しくなった。

本気な春が来た!

 

 

05.3.13

スーツにはおったジャンパー、

それでもまだ寒い異常気象の沖縄

 

そして スーツの上に借りたコート、

寒い廃墟での待ち時間

 

 

 

 

                                        

 

 

 

                   

         

          春には花粉症グループのS.S

 

 

沖縄に来た。お仕事でけークン沖縄ロケ。

空港に着けばいつもの様に、もう初夏の気温かと思ったら、さむ

東京より寒い。厚めのダウンジャケットが必要だった。

空港からロケバスで現場直行。海際の土手で夕陽を待つ。

でも空は怪しく曇り、寒くて夕陽も来ない。

潮風に吹かれスーツでは寒そうなけークン、背筋延ばして役どころに入っている。

海の向こう側に居る伊織を想う。「おーい、近くに来たよ」などと。

空は夕陽ないまま暮れて真っ暗な中、照明に浮かぶキャストの顔顔。

遠くで犬の遠吠え。撮影は待つのも仕事。                   

まねじゃおかぁは風邪か花粉症か、もう長い間風邪症状なので

サボって明後日のライブに備え暖房利いたバスの中で過ごす。

翌日は晴れ。ロケ地は熱帯植物密生する高地での廃墟の建物の中。

                                  廃墟の窓の向こうは眼下に新緑

こんなに寒いのに、生い茂る木々は熱帯植物。

それら東京では皆、室内用一鉢3000円?観葉植物なのだからやはりここは沖縄。

廃墟の窓の向こうは濃い緑。遙か下に広がる景色も緑、昨夏の南フランス、

砂漠の夏に見た土の白さと、高台の景色がダブった。

あ、東京ではこれからなのに、こっちのタンポポはもうワタになっている。

そっと吹いて飛ばした。ああ、こんな事したの、何年ぶりかなぁ。

沖縄の人も、この異常な寒さに風邪をひいている人が多い。

夜まで撮影、そのまま飛行場に戻り夜中には自宅に戻る。

東京に戻るとクシャミ鼻水、やっぱり花粉症デビューか? 明日は我がシャイニーのライブ。

帰宅すると、おとぅまでひどい花粉症じょーたいになって、桂クンだけは鼻元気。

ヤツの鼻はスゴイ。見るからにジョーブそうなんだ。子供の頃にピノキオを観て、

嘘つくとどんどん鼻が伸びる、とおびえていたけど、嘘つきじゃなかったと思う。ん。

ユーカリのエッセンシャル・オイルを一滴お湯にたらしてお風呂に入ったりするのいいらしい、

と、わざわざ買って来たのに忘れて寝てしまった。あれって、メンソレータムの匂いなのね。

待ち時間は車で暖を取る。

 

      

         

    

 

 

廃墟での撮影風景

 

       

 

沖縄のタンポポはもうワタ帽子になっていた

 

 

 

 

3月28日

            

ひと雨ごとに暖かくなる春の雨

 

  

 

桂クンの新しいアルバムが3/24に発売になった。

昨年11月頃から予定を立てて、春発売、ってゆーのは

凄いスピードで色々な作業をやらなければ間に合わないから、

気がつけばほとんど休みなくこの日まで来てしまった。

フーッて一息。 でもこれからが又、忙しくなる。発売ライブ続きで、本日は静岡。

車で東京駅に向かう途中、時間読み違いで自宅出発した事に気がついた!

ゆったり時間を取ったつもりだったのに、時計を見れば、

新幹線出発15分前になっている! れれれ! 時間に厳しいマネジャがダメーじゃない。

よっぽど頭、疲れて来てるみたい。 とにかく日比谷通りを抜けて八重洲口新幹線に

一番近い所で、よー、けー、二人を先に下ろした。 それから丸の内口の駐車場まで行くが

、道が混んでいておかぁが車を降りたのはその40分後!

メイルにて、二人は飛び乗り間に合った、と知って安心、と言うものの、

60分遅れで会場入りのおかぁ。 静岡は雨。

大きな会場に満杯のお客様、初めてライブに来られた方が多かったらしく

静かに聞き入り、終わると熱い熱い拍手の嵐。

けークン新譜発売!25才の記録

 

 

 

静岡より帰京の車中メイルチェック ジャケ写と同じ横顔?

うちの裏にも見事な桜の木が。

4月9日

 

                  

 

                              

 

 

サクラが咲いた!

毎年タイミング悪く、桜が一番きれいな時期を逃しているので、仕事終えて夜中に、そろそろ

かなぁ…?と、桜並木を遠回りして走ると、五分咲きだったゆうべ。

翌日家の裏の桜もいきなり満開に!

キャンペーンで関西入りしていた桂クンを迎えに行った帰りも千鳥ヶ淵回りで夜桜見つつ。

桜色、薄いのと、濃いのが混ざって遠くから見ると目の中全部、桜色のカスミがかかったみたい。

もうホントに見事! と言うのじゃ足りない、壮絶に美しい!

無口になるほど美しい。

たった一本の木だと、こんなに薄くさみしい桜いろが、

重なり合って見事に四月!

車もみんなノロノロ運転、美しさに心洗われ、桜見てても事故も起きない。

ああ、この季節、春だ春だ春だ、と嬉しい。

でも夜はまだまだ寒い。

 

 

 

 

   

Motion blue Yokohmaのスミレ

 

 

 

  

ネコなんて、お腹空いた時しか甘えない、なんて、おとぅは言い続けていたけれど、マルはいつも弱者で怖がりで、だから誰にも抱かれない、その代わりおかぁには、力を込めて擦り寄り抱きつき無条件に甘えるのです。あと何日生きられるか、19才まで、その気の弱さで見事に生きて愛を証明してくれたのです。

 

 

 

猫トリオのお食事タイム

左から白ぴ、千代子、右の黒い岩がマル! 

 

 

 

うちのテラスの網戸に写った陽の光りも四月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

右手中指で、ノートPCのタッチパッドなぞって描く絵は、鉛筆で書く絵の様にはうまく描けない。でも、何年も前に初作品、「よーちゃんマーク」描いてみた。制作時間2分。

 

4月14日

 

窓の外に海と花のあるライブハウス

 

 

 

Motion blueの回りを散歩

 

 

 

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マルちゃんこと、飼い猫コバヤシ・丸セリーノ、19才(多分)は、ある日うちの某生徒が

貰い手がなく困っているお宅から強引にうちに連れて来た黒猫。

 血統書付きのチンチラとアメリカン・ショートヘァーのあいのこ?と言う事だけれど、

チンチラ特有のゴージャス、シルバーの長い毛でもなく、ショート・ヘアーの幾何的美しい模様もない、

ただの黒猫。 と、言う「みにくいアヒルの子」じょーたいらしいけれど。

うちなら血筋などカンケーなく貧相で可哀想な猫ばかり面倒見ている、と噂が流れていたらしい。

この猫は始めから、猫の本能である筈の高い所にも上がれない、

毛づくろいもしないちょっと遅れた子猫だったのだ。

年老いるに従い、毛は、古い綿布団のワタの如く固まってしまい、ブラシも通らない。

その毛はヨロイの様にごわごわ。 いつ誰にで蹴られたか下顎の骨砕けていて口が閉まらず、

いつも舌が出ていて、猫好きにも可愛い、と言われない猫だから、

おかぁにとっては、だから一番可愛い猫だった。

家族も皆、「わ汚い」と避ける様になったのは、ヨロヨロと歩き垂れ流し状態で、

自分のおしっこの上でも寝てしまうひとだから。 それでも私を見ると「抱っこ」とねだり

その臭い体のまま、残った体力で擦り寄り甘え力なくゴロゴロと言う。

私も一緒に臭くなり、私も一緒に嫌われて当然。

誰でも好んで年取り汚くなるのではない、生きている物は全ていつの日にか

順送りでこんな日が来るのだから。 ホント、こんな風に哀れになってからこそ、

「安心」の気持ちと「穏やか」な気持ちを一杯与えてあげたい。

可愛い時期より今からの方が全て大切。 と、私は思い続けて、

うちの家族も少しづつ感化して大目に見て貰って来ている。

留守の時はどうしているの?と良く聞かれるけれど、

おかぁと同じ位動物に愛情を注ぐステケスタッフがいるから、バトンタッチで面倒を見てくれて安心なの。

「猫は嫌いだ」と始めの十年は言い続けたおとぅさえ、

いつのまにか猫に向かって「おとぅさんはネ、」などと猫ともお話する様になって行った。

重たい缶詰や砂をライブの朝さえ買いに出たりしてくれていて。ゴメン。

マルちゃん、日増しに力つき果てているのに、ヨロヨロ歩き階段踏み外して、ドテって落ちたりする。

ここの所、餌はおろか水も飲まなくなったから、ふと思いついた。

長男が小さい頃に脱水症状で病院で点滴を受けた際、お医者さまが

「ポカリスウェットはリンゲルの点滴と同じ成分なので、水さえ飲めない症状の時は、

飲ませるといい」 と、仰られた事。 その言葉、思い出してお皿に入れて口元に持っていくと、

なんと! 飲んだのです! もう立てなくなっていたのに、飲んだらヨロヨロ起き上がって、

「抱っこ」の仕草をして。抱きしめてあげると(クサ!)ゴロゴロ言っているつもりで、

もう力なく音はしないけれど、ウグウグ、と胸が響いている。

これからこのポカリで、何日生きられるのか

ずっとずっと抱いていて夜が明けてしまいました。

翌日。生徒のレッスンが始まる頃、もう一匹の猫、

千代子のお尻の横に五円玉大の穴が空いて肉が見えている事に気がつきました。

きがきでないままレッスン、合間に抜け出し病院に駆け込み預け、レッスン終えてから再び迎えに。

肛門腺が膿んで破裂し、自分で舐めて化膿させてしまったとか。

舐めて毛づくろいさえしない汚いマル、対照的に、犬達まで舐めてあげるキレイ好きな猫、千代子。

その舐め過ぎがたたり、医者に傷を舐めない様に、と頭にメガフォン型のプラスチックカバーをハメられ、

エリマキトカゲ状態で帰宅。

これつけていると、前後左右見えないから歩けなくなり、グッタリ寝てるだけになって

わーんすごく可哀想。去勢手術の白ぴも無事退院して、この忙しい時期に、

暫く犬猫病院に通院しなければならない羽目に。

日に三回の塗り薬と飲み薬、おかぁはまるで獣医の様に素早く飲ませる事が出来る。

動物と共に暮らす歴50年をとうに越えた。

 

朝、起きて来るとマルちゃんが首をもたげてこちらをじっと見たのでビックリ。

ゆうべ腰を支えてあげると、自分から珍しくトイレへ行き、ポカリを呑んで「抱っこ」と言うから

明け方まで2時間抱いていた。これが、最後かもしれない、となんとなく感じた。

抱いても、首をもたげる力さえもつきて、ダラリとなって寝てしまう。

昼過ぎには横浜に出発。出発前には力なく寝ていたマルを振り返り「さよなら」を言った。

良いお天気の海際は、パンジーが咲き乱れて、レンガ倉庫の中のモーションブルーは、

ライブハウスでは珍しく窓のある大好きなお店。

店の中から見る窓は、陽に輝く海の眩しさ。お店の中は陰になり美しい絵、思わず見とれた。

夜、もうすぐ本番が始まる時、メイルでの訃報に気がついた。

「マルちゃんが天国に召されました」

おかぁが出かけてまもなく天国に昇って行ったと思う。19年も一緒に暮らした猫マル。

無意識に見ている何気ない景色の中の日常のこと、おと、そんな全てに愛を感じて平和を願い、

感謝する、「What a wonderful world、この素晴らしき世界」マルちゃんに捧げます。と、

桂クンはステージで歌ってくれた。走って聴きに行くと曲は終わる所だった。

マルちゃんと暮らせた19年が熱い。

帰った時、箱に固まって寝ていたマルちゃんをお花で囲みラベンダーのお香を焚いてお通夜。

お庭の土に返してあげるからね。涙。

                        Good bye,Maru

 

 

           

写真・文 Kyoko.M:      

犬と猫は、ひとがルールを管理してしまわなければ、動物同士のルールが自然に出来て、ちゃあんと仲良く互いにかばい合いながら仲良くやって行きます。

 

 

    

 

 

 

 

    白内障のじいさん、には見えないサブちゃん、猫より体は小さい。

 

 

 

 

 

 

こんなのも飼いたいわ。

 

 

 

 

 

野草がいきいきの季節

 

 

青いエリマキメガフォンをされると動けなくなり、うちひしがれて寝る千代子

 

 

 

 

 

Sounds checkの間に逝ったのか

 

 

 

 

 

うらうらとゆるい光りの春の海