九月に入った途端に 各地に暦とおりの台風上陸。
アメリカ南部を襲ったカトリーナの被害は、やまよもNo.10を編集している頃。
やまよも日誌も遅れがちで、ほとんど駆け足日誌になりそう。
壊滅状態のニューオリンズを衛星ニュースで観ていて、
いてもたってもいられない気持ちでいたところ、
10月に入ると復興支援コンサート計画が次々立ち上がり、
あちこち実現する事になりました。
'06四月にニューオリンズで世界大会を予定していた、
聖心女子大学が小林洋・小林桂で急遽チャリティ・コンサートを
学内のホールで行う事を11月には実現出来る運び。
ねこじゃらしの畑の向こうに山手線が走る窓の景色
事務所前の空き地は、延び放題の雑草を区が整備に来ては、
刈り込んでしまうのに、一週間もすれば又青々と、逞しく再生する野草。
今は、ねこじゃらしが生い茂り近所中の猫が遊びに来ます。
もっとも、ねこじゃらしの中を駆けめぐるのは主に近所の犬達。
犬じゃらしになっています。
ここは、朝の犬の散歩コースになっているらしい。
九月のすすきの穂はまだ硬く若く、でもこの頃 、とんぼが多くなって来た。
区の整備のために定期的に草刈りに来るおじさんに、
事務所前だけは草刈りしないでネ、と頼みました。
夏休み前に子供達が植えた「ケナフの木」の苗は、もう
おかぁの背丈より高くなりました。2005.9月某日
土日祭も引っ越し雑務に追われ続きで お休み時間ないまま
はや10月に入ってしまいました。
今夜、世田谷の某宅でのホームコンサートがあって、
生きていれば92才のおかぁの亡父の曲を演奏するので、
「是非いらして下さい」との ご招待FAXを頂いており、
あ、今夜なら行かれるかも、 と思いたち行く事にしました。
父が亡くなり40年以上ほとんど接点なく来てしまった父の仲間も、
ほとんどの方は今はもう亡くなられて、
当時学生であった父の側近や、 ファンの方達、
メンバーの遺族などが集う演奏会が続いている事は 耳にしていたけれど、
こうしたプライベイトパーティには初めてお邪魔しました。
大邸宅並ぶ静まりかえった住宅街にこぼれる音。
あ、ここだ、とドアを開けるともう懐かしい調べがワっと溢れました。
父オリジナルのDm7チューニングのスティールギターが、
父の数々のオリジナル曲をピアノトリオと共に演奏しています。
多分80才代前後の元モダンボーイ達が、
木のフロアをステージに、レンガの壁を背にしてレースの窓ごしの外へ、
その楽しい演奏会の音をこぼして、静かなお屋敷街の一角が夢の空間。
多分80代前後?プレイヤーの素晴らしい若さに圧倒!
集う元モダンガールやその子供達や孫達。
こうして音楽は繋がって行くのですが、おかぁがけークンを産む17年前に
父は亡くなったから、けークンは祖父を知りません。
それなのに、彼は祖父のレパートリーだった数々の曲を、
全く知らずにレパートリーにして来ました。
以前、父の弟子であったプレイヤーが、
「君のおじいちゃんはデューク・エリントンの、Sophiscated Ladyが好きでネ…」
とけークンに語ったのを横で聞いた時は、おかぁも本当にビックリしました。
だって、けークンは5才の頃にまさしくエリントンのその曲がタイトルの、
ショウのビデオを見てエリントンにはまり、
そして17才の初レコーディングでも、 Sophiscated Ladyを収録したンです。
子供が歌う曲ではない、レイジーでやらしい、そんな大人のスゴイ曲を
どんどん勝手に唄い始めて気がつきゃ、ジャズボーカリストなんちゃって
来ましたが、父も演奏していた曲だったとは。 おかぁも知らなかった。全然。
父没後、半世紀近く時は流れて今夜、まだこんなに沢山の人が、
こうして集い、そのチューニングまで継いで楽しむ会が繰り返されていたなんて。
突然、父ありし日にタイムトリップした嬉しい夜でした。2005.10.2 |